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「離婚したときは、さすがに落ち込みましたが…」30代で覚醒、心斎橋のシンデレラ姫が“奇抜なスタイル”を続けるワケ

心斎橋のシンデレラ姫インタビュー #1

2024/04/28

genre : ライフ, 社会

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シンデレラ姫 30代の頃から、今につながるようなファッションをしていたと思います。「ルアージュ」をオープンして間もない頃だったかな、大阪のテレビ番組の「厚化粧美人コンテスト」に出場してみたんです。きれいなドレスを着て、ヘアメイクもばっちりキメて。そしたら準グランプリを受賞しちゃって。「やっぱり姫のやっていることは間違いじゃなかった!」って確信し、この格好を極めようと思ったんですね。

 スリーサイズも30年以上変わっていませんし、今も足元はヒールを履き続けています。メイクとヘアセットには、4時間かかるんですよ。大阪から京都まで日帰り旅行できる時間よね(笑)。

若き日のシンデレラ姫 ©文藝春秋

「失敗なんて考えたことない」

――ぜいたくな時間の使い方です(笑)。そのこだわりが、唯一無二の「心斎橋のシンデレラ姫」を生み出したわけですね。

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シンデレラ姫 テレビやメディアで取り上げられるようになって、姫と写真を撮りたいという方も増えました。ドレスの依頼も増えて、アゲアゲハッピー。当時は、ブライダル業界も活況で、派手婚の時代でした。

 ウェディングドレスを借りるだけで50万円以上かかるのが当たり前でしたが、姫は自分でデザインした完全オリジナルのドレスを格安でレンタルしたので、お客さまにとても喜ばれ、じゃんじゃん依頼が来ました。結婚って人生の節目なのに、ものすごくお金がかかってしまって妥協してしまう人が少なくなかった。リーズナブルな価格帯でもできる、ドレスを含めたトータルコーディネイトを提案し、ワクワクしてほしかったんですね。

ファッションの細部にシンデレラ姫のこだわりが詰まっている ©文藝春秋

 やっぱり人が考えないようなことを先駆けてやっていくことがファッションだと思うんです。姫のファッションはコスプレではなくて、魂から血の隅々まですべてシンデレラ姫をつくり出すために必要なエッセンス。この特徴的な眉毛も、“ハッピーまゆまゆちゃん”と呼んでいるくらい。

 誰かがやったものに追従するのではなく、自分から発信していくこと。それってどんな仕事においても一番大事だと思います。無から有を生むって大変ですよ。でも、そういう気持ちを持たないとハッピーにはなれない。姫は、失敗なんて考えたことないんです。

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