大阪・心斎橋筋商店街に、まるで異世界からやってきたような優雅でゴージャスなお姫さまがいる。写真撮影を頼まれれば気軽に応じ、「待ち受けにすると、アゲアゲハッピーになれるわよ♡」と微笑む。

 ブライダルサロン「ルアージュ」のお姫様オーナー・松本明子さんは、30代のときにド派手なお姫様スタイルへと覚醒。「心斎橋のシンデレラ姫」として独自の世界を構築してきた。そんな彼女は、どのような人生を歩んできたのか。37年目を迎えたシンデレラ姫の居城「ルアージュ」で話を伺った。(全2回の1回目/続きを読む)

「心斎橋のシンデレラ姫」こと松本明子さん ©文藝春秋/撮影:細田忠

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――華やかなドレスの数々に圧倒されます。すべてご自身でデザインされているのですか?

シンデレラ姫 そうなんです。お姫さまってピンクをはじめ、明るい色のイメージが強いので、自分で考えながらデザインしています。ドレスの色を基調に、アクセサリーやヘアメイクもコーディネイトするので、 脳の活性化にもすごくいいんですよ(笑)。

 頭に乗っかっている小さな帽子などは、うまく引っかかるようにデザインしているので、機能性も考えながら作らないといけないんですね。人生っていろいろなことが起こりますから、せっかくなら楽しく生きていかないと。姫はドレスを着ることで、毎日、アゲアゲハッピーな気持ちで生きています。

――一人称は「姫」なんですね。

シンデレラ姫 ええ、そうなんです。ふふふ。

シンデレラ姫になったわけ

――存分に人生をエンジョイされていることが伝わってきます。数あるプリンセスの中で、なぜシンデレラ姫をチョイスされたのですか?

©文藝春秋

シンデレラ姫 おかげさまで、この格好をするようになってから、テレビやメディアに取り上げていただく機会が増えまして。大阪のテレビ局の取材を受けたときに、ふと「心斎橋のシンデレラ姫です」と口にしたら、ディレクターさんが「それいいですね!」と喜んでくださったんです。

 心斎橋とシンデレラは語感も似ていたので、そのキャッチコピーでいきましょうということになり、それから「心斎橋のシンデレラ姫」を強調するようになったんですね。周りの方のおかげ。ラッキーなんです。

――「心斎橋のシンデレラ姫」になる前夜のお話を聞かせていただければと思うのですが、もともと子どもの頃からドレスがお好きだったのですか?