オリックスが二軍施設につぎこんだ「30億円」の総工費
好投手が次々に流出の危機にあるオリックス。だが、球団はさほど焦りを見せていない。なぜか。
「人材が流出しても、また次の若手が育つ好循環が生まれているからです」(球団関係者)
オリックスでは17年春、総工費約30億円を投じて神戸から大阪・舞洲に二軍施設を移設。練習環境を整えると同時に、ドラフト戦略も、大卒や社会人の即戦力ではなく高卒中心に切り替えた。
「それまでのオリックスは四半世紀も優勝から遠ざかっていました。それが4年前、山口和男現スカウトグループ長が就任した頃から投打で柱となる選手が芽を出し始め、そのままリーグ3連覇につながった。ハードとソフトの双方を整備した結果、若手が育つようになったのです」(同前)
こうして活躍した選手がメジャーに挑戦しても、ポスティング制度を利用した移籍であれば、多額の譲渡金が球団に渡る。
「この譲渡金は選手の補強に加えて、さらなる施設の充実のために活用できる。人材流出は悪いことばかりではありません」(同前)
“負けない男”もまた、王者の貫禄に育まれていた。