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大山 くまお
2018/04/14

「本件は首相案件」発言 真っ向から対立する安倍首相と愛媛県

“安倍応援団”は加計学園客員教授にちゃっかり就任

 朝日新聞が4月10日に放ったスクープにより、森友学園問題に続いて加計学園問題が再燃した。安倍政権の疑惑はどこまで深まるのか。一連の問題にまつわる言葉を振り返ってみたい。

◆ ◆ ◆

柳瀬唯夫 経済産業審議官・元首相秘書官
「本件は、首相案件」

朝日新聞デジタル 4月10日

 学校法人加計学園が愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画について、2015年4月、愛媛県や今治市の職員、学園幹部が当時の柳瀬唯夫首相秘書官らと面会した際に愛媛県が作成したとされる記録文書が存在することが明らかになった。文書には柳瀬氏が面会で「本件は、首相案件」と発言したと記されている。

 また、文書には「加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があった」とも記されていた。

 柳瀬氏は昨年7月25日の参院予算委員会で、この面会について「私の記憶する限りはお会いしていない」と繰り返し答弁していた(朝日新聞デジタル 4月10日)。今回も「自分の記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありません」(産経ニュース 4月10日)とあらためて面会を否定するコメントを発表し、朝日新聞が報じた文書の内容を完全否定した。

記者団を振り切り、官邸を出る柳瀬唯夫氏 

藤原豊 経済産業審議官・元内閣府地方創生推進室次長
「要請の内容は総理官邸から聞いている」

東京新聞 4月10日

 東京新聞も朝日新聞と同日にスクープ記事を発表している。2015年4月の面会に同席した藤原豊氏が「要請の内容は総理官邸から聞いている」と発言し、「国家戦略特区の手法を使いたい」と持ちかけていたことが判明した。藤原氏の発言は、朝日新聞がスクープした面会記録にも掲載されている。特区事業を所管する内閣府から自治体に申請を持ちかけることは極めて異例のことだ。

加計学園問題を巡り、取材に応じる経産省の藤原豊官房審議官 ©共同通信社

 安倍晋三首相は、昨年の7月24日、衆院予算委員会で加計学園の加計孝太郎理事長からは「獣医学部を作りたい」といった話は一切聞いたことがなく、学部新設の計画は2017年1月の国家戦略特区諮問会議で初めて知ったと断言していた。しかし、2015年4月に作成された文書に「首相案件」「総理官邸から聞いている」「安倍総理と同学園理事長が会食した際に~」などと記されていた。

 面会記録に記載された内容が事実であれば、安倍首相は加計学園の獣医学部新設計画について、2015年4月の段階で既に知っていたことになり、国会答弁は虚偽だったことになる。

中村時広 愛媛県知事
「職員が文書をいじる必然性はまったくない。全面的に信頼している」

朝日新聞デジタル 4月11日

 愛媛県の中村知事は朝日新聞の報道を受けて、10日、愛媛県の職員4人から聞き取り調査を実施。うち1人が文書について「自分が書いたもの」「(知事への)口頭報告のために作ったメモ」と認めた。記述の真実性について中村知事は「全面的に信頼している」と強調した。

 安倍首相や政府に近いとされる読売新聞も、面会について、出席者の一人が「間違いない」と証言したことを報じている。この出席者によると、2015年4月2日に首相官邸で行われた面会には、県と今治市の職員、加計学園の職員らが参加し、柳瀬氏からは「首相案件」の発言があったという(4月12日夕刊)。

中村時広愛媛県知事

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