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腐敗した牛肉を「焼き肉のタレに漬け込めば臭いは消える」と食べさせ…大相撲・佐渡ヶ嶽部屋が元力士に訴えられた“ドケチいじめ”

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エアコンに使用料、コインランドリーは自腹のドケチぶり

 若手力士たちは、異臭のする肉をちゃんこなどにして口にしていたという。出廷後の柳原氏に話を聞いた。

「食事に関するいじめは『飯のかわいがり』と呼ばれていました。部屋で集団食中毒事件が発生したこともあった。親方は『なんでお前らはそんなに体が弱いんだ』と怒っていましたが、ご自身はちゃんとした肉や米を食べていた。親方は、支援者から貰った肉や米が古くなっても弟子たちに食べさせて、食費を節約していたんです」

 “ドケチいじめ”は、食だけに留まらなかったという。

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「エアコン使用は1時間につき100円、天候の問題で汗拭き用のタオルをコインランドリーで洗濯すると担当力士の自腹でした」(同前)

 きつい罰金制度もあった。

「お菓子やジュースが各部屋で見つかったら、その部屋全員が罰金2万円、使った保険証と判子を部屋に返さなかったら1日2000円、と細かく金額が定められていた。母に楽をさせてあげようと入った角界でしたが、逆に借金ができてしまった」(同前)

佐渡ヶ嶽部屋に貼られていた罰金の告知

佐渡ヶ嶽部屋に質問状を送ると回答は…

 こうした生活実態の一部は、あるきっかけで緩和されていった。

「2015年の将且(まさかつ)くん(大関琴ノ若)の入門です。彼の入門を前に腐った肉や米を、全部消費することになったのです。入門後に『お前の親父さんだからこんなこと言って悪いけど』と理不尽な振る舞いに関して話をし、彼が『申し訳ない』とこぼしたこともありました」(同前)

新大関になった琴ノ若

 佐渡ヶ嶽部屋に質問状を送ると「その真偽は今後、裁判において明確になると考えております」との回答。

「土俵には金が埋まっている」と言われるが、ドケチで稼ぐものなのか?

腐敗した牛肉を「焼き肉のタレに漬け込めば臭いは消える」と食べさせ…大相撲・佐渡ヶ嶽部屋が元力士に訴えられた“ドケチいじめ”

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