5月4日、両国国技館で電撃引退を発表した元関脇・逸ノ城(30)が、その直前までアルコールに溺れる日々を送り、稽古も拒否していたことが「週刊文春」の取材でわかった。

 師匠の湊親方(元幕内・湊富士)も同席した会見では、引退の理由を「腰痛の悪化」と語ったが、部屋の後援会関係者は、真相をこう打ち明ける。

「確かに腰痛は慢性化していましたが、それは表向きの理由に過ぎない。逸ノ城は4月以降、稽古を無断でサボり、飲み歩いていた。クビではなく引退のかたちをとったのは、親方の最後の“親心”だったんです」

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幕内通算成績は334勝298敗73休 ©時事通信社

 引退会見では一度も目を合わせず、別々の出入り口から退場した湊親方と逸ノ城。師弟関係に亀裂が入ったのは2021年秋に遡る。

逸ノ城が禁酒を誓ったため一人暮らしを許可。ところが…

 湊親方は逸ノ城を埼玉県川口市に構える相撲部屋に住まわせてきたが、逸ノ城が夜な夜なこっそり部屋を抜け出し、モンゴルの友人らとモンゴルパブなどに繰り出していたことが発覚。湊親方に叱責された逸ノ城は、一人暮らしを認めてもらえない不満をぶちまけたという。

「親方とおかみが逸ノ城を相撲部屋暮らしにとどめておいたのは、彼の酒癖の悪さを不安視していたからでした。お目付け役として一緒に飲みに出かけたおかみに酔って手を上げたり、突き飛ばしたりしたこともあった」(同前)

 話し合いの結果、自立を望む逸ノ城が禁酒を誓ったため、湊親方は2021年暮れ、一人暮らしを許可。ところが、2カ月と経たないうちに、逸ノ城は飲み潰れて朝稽古をすっぽかしてしまう。再び師匠から大目玉を食らった逸ノ城は後日、湊親方にこう宣言した。

「これから親方とは弁護士を通さないと話しません」

 師弟関係が機能不全に陥る中、逸ノ城は昨年7月の名古屋場所で初優勝を決める。ところがその翌月、逸ノ城は泥酔して日本相撲協会の仕事に穴を空けてしまった。その後も逸ノ城の素行は改善されず、湊親方は協会にこう報告。

「逸ノ城が全く言うことを聞かない。限界です」

「週刊文春」は2022年11月の時点で、師弟関係が崩壊している現実を、逸ノ城の“破門危機”として報じた