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西日本在住の地震学者が実践する「激甚災害」への備え方【防災用品チェックリスト付】

「防災パーティ」で「おいしい防災」を始めよう

2018/07/16

genre : ニュース, 社会

 わずか1ヶ月のうちに、二度にわたり西日本が災害に見舞われた。

 6月18日、大阪府北部で震度6弱を観測する地震が発生した。このときの最大の揺れは震度0~7まである10段階のうち上から3番目に強いもので、住宅被害は2万棟を超え、ブロック塀の倒壊によって少女が亡くなるなど、関西全域に大きな被害が出た。6弱の震度では立っていることが難しく、固定していない家具の大半が移動し、倒れることもある。私の住む京都でも震度5強の揺れを感じた。

©時事通信社

 7月6日には、豪雨が西日本を襲った。死者は200人超、いまだ多くの人々が避難生活を強いられている。言うまでもなく、地震災害と豪雨災害ではその被害のあり方が異なる。しかし、4つのプレートの上に位置する日本列島は、地震災害が多く、地震防災をすることによって、結果的にそのほかの災害対策に繫がることは大いにある。

 本稿では、地球科学を専門とし、地震を研究する私自身が、大阪北部地震に遭遇してどのように対処したか、また最新の「未来の防災」のあり方を紹介することで、今後の激甚災害による被害を最小限にできることを願っている。

家具の固定は役に立つ

 大阪北部地震は午前7時58分に起きた。

 自宅にいた私は「上から何か落ちてこないか」と、揺れる中でとっさに上方を見た。何はさておき自分の頭を守るのである。これは災害時に一番大事なことだ。幸い、我が家の家具は地震に備えてすべて固定してある。食器棚は壁から天井までの作り付けにしている。

 また、本棚は床と天井の両方と接するように固定し、倒れてこないようにしていた。と言って、中に入っている本まで固定するわけにもいかないので、先ほど述べたように、上から物が落ちて自分の頭に当たらないように、とっさに上方を確認するのだ。すなわち、室内では家具さえしっかりと固定しておけば、この方法で突然の大揺れにも対処できる。

 和室にタンスなど置いている方も多いだろうが、これにはひと工夫がいる。我が家は和室に高さ1.2メートルの食器棚があるが、底の部分の畳を工務店にくり抜いてもらい、畳の下の床面と食器棚を固定してもらった。また食器棚上部の背面を、ワイヤーで壁に固定している。その結果、大阪北部地震でも食器棚は倒れることなく、中の食器は多少動いたものの割れることはなかった。