西日本を中心に「平成最大の水害」をもたらした平成30年7月豪雨は、発災から日を追うごとにその被害の大きさが明らかになりつつあります。7月13日午前の時点で死者は204人、7000人以上もの人々が避難所での生活を強いられています。

使いようのない「モノ」が自衛隊の通行妨害にも

 避難所が開設されると、全国からたくさんの救援物資が送られてきます。私も子どものころ、郷里の伊豆大島・三原山の噴火により避難所暮らしをした経験があり、救援物資のありがたさは身に沁みています。

 ただ、個人による「モノ」の支援には弊害も多く、「救援物資は第2の災害」と断じる防災の専門家もいるほどです。過去の災害でも、使いようのない「モノ」の処理費用は、復旧・復興に全力を投じたい被災自治体の財政を苦しめてきました。

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西日本豪雨は大きな被害を与えた ©時事通信社

 また、平成30年7月豪雨では、被害の甚大な地域に個人(?)の救援物資が山のように積まれ、自衛隊の通行の妨げになるという出来事もありました。

「被災者の役に立ちたい!」という動機が、思わぬトラブルを生むことほど悲しいことはありません。ここでは「モノ」による支援の難しさを考えてみます。