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もう“猫愛”がとまらない 『俺、つしま』×『猫ニャッ記』対談

リアルな猫を描くコツから地域猫問題まで語り尽くす

note

仕事中に自作の“猫の歌” を小声で歌って乗り切ることも

おぷう兄 佐久間さんは何を使って描いているんですか? 「あったかい線。鉛筆かな」というのが第一印象でした。自分はたまにクレヨンも使うんですが、クレヨンも使っていますか? 

佐久間 鉛筆シャープ(芯が太いシャーペン)を使っています。クレヨンは使ってないのですが、パソコンで調節する際、色を濃くするのでクレヨンっぽくなるのかもしれませんね。そうか、お兄さんはクレヨンもお使いなんですね。私ももっといろんな画材を試してみようかな。

©佐久間薫

おぷう兄 佐久間さんは漫画を描きつつ書店員の仕事もされているんですよね。書店での仕事中に猫に会いたくなって家に帰りたくなることとかあるのでは。

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佐久間 お兄さんはそうなんですね! うふふ。私はそこまでではないですが、書店の仕事が大変なときや、疲れているときなどは猫を思い出したり、自作の猫の歌を小声で歌ったりして乗り切るときはあります。

おぷう兄 自作の歌!それはすごい。

佐久間 私が働いている書店でも『俺、つしま』はよく売れているんですが、もう14万部突破と伺いました。すごいですね! 「たくさんの人に読まれている」という実感がありますか? また、それで何か変わったことがありますか? 

おぷう兄 つーさん(つしま)が「実はけっこう有名猫なのか」と思うと、ときどきヘンな感じがしたりします。普通にゴロゴロしてるだけなのに。

佐久間 確かに(笑)。つーさん自身には有名だっていう自覚もないでしょうしね。

猫ブログからツイッター漫画へ、そして書籍化

おぷう兄 ツイッターで発表していた『俺、つしま』の書籍化が決まって、自分たちは「え? 本になるの? え? え?」という感じで、とまどいと少しの嬉しさがありました。佐久間さんは最初に書籍化が決まったときどうでしたか?

佐久間 最初の書籍化(『ねこ書店』)のお話をいただいたときは本当にびっくりしました。たいした実績もないのに、ブログで擬人化猫のお花見のイラストを見た当時の編集者さんが連絡をくださったんです。その方には本当に感謝しています。おぷうのきょうだいさんも、たしか「ネギが飛び出た買い物袋をもったつしまさん」のカットを編集者さんが見てお声がかかったと聞きました。あのカットは本当にインパクトありますもんね! 猫ブログをツイッター漫画に変えて、すぐに人気に火がつきましたよね。

つしまさん ©おぷうのきょうだい/小学館