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もう“猫愛”がとまらない 『俺、つしま』×『猫ニャッ記』対談

リアルな猫を描くコツから地域猫問題まで語り尽くす

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妹と二人三脚で生まれた『俺、つしま』

おぷう兄 ブログは、妹に「今日はこういう話を書くからこういうイラストを描け」、と言われて描くという感じでした。ツイッターのほうは漫画ですから、構成も自分がメインでやるようになりましたが、二人で一緒に作ろうと決めたので相談しながら進めています。妹が「猫とこんなことがあった」と教えてくれることもありますし、自分が見ていて「面白いなぁ、バカだなぁ」と思うことをネタにしたり。妹が「これこれこういう感じで展開して……」と身振り手振りで演じて伝えてくれることが多いんですが、中には自分で考える話もあります。描いているうちに、全然違う話になっていたり(笑)。文章は妹が考えることが多いんですが、ネームは自分が即興で作ったものを妹が見てあーだこーだ言いながら修正しています。

佐久間 おお、まさに二人三脚なんですね! ツイッターという媒体もよかったと思うのですが、きっと漫画のスタイルにしたのも、大きいですよね。

おぷう兄 『猫ニャッ記』は実話をもとにしたコミックエッセイ、『ねこ書店』はギャグというかファンタジーという感じで、『俺、つしま』はその要素が両方入っていると思うのですが、描き分けに苦労しませんでしたか?

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佐久間 描き分けでの苦労はとくになかったですね。ただ、最初『ねこ書店』の方が話をイチから作るので大変かなと思ったのですが、『猫ニャッ記』の場合は、長い期間のいろんな出来事をどうやったらわかりやすく読んでいただけるか……など構成を組み立てるのが大変で、かなり苦労しました。 

おぷう兄 だんなさんに意見を求めたり、それを元に直したりしますか? もしそうなら少しスタイルが似ていますね。

佐久間 そうですね。迷ったとき、ときどき意見を聞きますね。私が気づかなかったことなども指摘してくれたり、けっこう影で活躍しています。お礼にお菓子をあげると喜びます(笑)。妹さんが作画のお手伝いをされることもありますか?

おぷう兄 あります。妹はたまに色鉛筆で「おじいちゃん」の色を塗っています。

佐久間 おじいちゃんが、おじいちゃんを……(笑)。

おぷう兄 だんなさんが考えたり、手伝ってくれることはありますか?

佐久間 話を考えることはないのですが、「鉛筆シャープや水彩(単行本の表紙)を使ったら?」と勧めてくれました。また、タイトルも『ニャッ記』はどうかと提案してくれて、頭に「猫」をつけて『猫ニャッ記』になりました。このタイトルは気に入っています。

おぷう兄 すごくいいタイトルだと思います。佐久間さんの漫画は、悲しい話でも読後感が爽やかなところが好きです。なにかこだわりのようなものを感じるのですが。