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小林製薬の『紅麹』 通常の3倍以上の培養期間、約80年稼働の工場設備の老朽化 見えてきた“予期せぬ物質”発生の可能性

source : 提携メディア

genre : ビジネス, 企業, 社会

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通常より長い培養期間や、設備の老朽化によって予期せぬ物質の発生や混入があった可能性が見えてきた、小林製薬の紅麹原料。4月19日には、プベルル酸に加えて、通常は入っていない複数の物質も新たに確認された。物質の特定や混入経路の解明には、まだ時間がかかりそうだ。

■取材した記者は『安全管理(GMP認証)』に注目

 

この問題の背景には紅麹特有の扱いの難しさと、小林製薬の製造上にも特有のリスクがあったという。

関西テレビ 鈴村菜央記者:普通の発酵食品よりもカビの発生や異物の混入がしやすい環境だったといえると思います。そういったリスクがある中で、私が注目したのは『安全管理(GMP認証)』です。

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安全管理の体制について見ていく。
・紅麹の原料を作っていた小林製薬の大阪工場は、衛生面で重要な工程のみ大阪府の安全認証を受けていた。
・一方、厚労省は全工場で全行程を点検・記録し品質管理をする『GMP認証』というものを推奨している。

紅麹の原料を作っていた大阪工場はGMP認証は得ていなかったということだ。

 

関西テレビ 鈴村菜央記者:そもそもGMP認証は、医薬品では法律で義務付けられているのですが、健康食品では法律では義務にはなっておらず、いわゆる企業努力になります。GMPを認証する日本健康栄養食品協会に話を聞きますと、『GMP認証を取得すると、実施できているか毎年外部からチェックを受ける』ということです。こういった理由から大手の企業ではGMPを認証しています。つまり認証がない小林製薬の工場を第三者が定期的にチェックする機会はなかったといえます。

厚労省が推奨しているGMP認証を取得しなかったことについて、小林製薬はどう説明しているのか?

関西テレビ 鈴村菜央記者:小林製薬は『安全管理のルールは自社で定めて運用できていた』ということです。そのためGMP認証を目指していなかったと説明をしています。

GMP認証を義務化する必要があるのだろうか。