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伊藤忠と交渉中に…ビッグモーター創業家が、1100平米の「軽井沢別荘」を新築していた

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 5月1日、中古車販売大手ビッグモーター(BM)の主力事業を引き継ぐ新会社「WECARS(ウイーカーズ)」の設立を発表した伊藤忠商事。だが、その裏で創業家は……。

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どこまで経営改革に切り込めるのか…残買収後も残る“懸念材料”

 経済部記者の解説。

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「買収の条件は、創業家が一切経営にはタッチしないことでした。伊藤忠は、輸入車ディーラーのヤナセなどを子会社に抱え、中古車業界とも近い。特にBMが擁する約250の実店舗は魅力的に映ったようです。新会社の社長には、伊藤忠元執行役員の田中慎二郎氏(61)が就任。北米の建材会社や英国のタイヤ会社の事業再生を手掛けた“再生請負人”です」

“伊藤忠のドン”こと岡藤正広会長

 だが、懸念材料もある。

「保険金の不正請求問題が収束したわけではありません。優秀な社員は多数辞めた一方、今も創業家の息がかかった社員は少なくない。どこまで経営改革に切り込めるのか、不透明感も残っています」(同前)

 新経営陣の一人も小誌の取材にこう答えた。

「取締役会もまだこれからだしね。そんな急には上手くいかないよ」

登記簿を調査して目に飛び込んできたのは…

 では、創業家の兼重宏行前社長(72)らは一体、何をやっているのか。BMの株式を100%保有していたのは、一族の資産管理会社「ビッグアセット」。同社の名義などで、推定30億円超とされる目黒の豪邸をはじめ、京都や熱海、軽井沢など各地に別荘を保有している。改めて登記簿を調査したところ、目に飛び込んできたのが、次の記載だ。

“BMのドン”だった兼重前社長

〈令和5年10月31日新築〉

〈所有権保存 令和5年12月18日〉