福岡県篠栗町で2020年4月、碇(いかり)翔士郎ちゃん(当時5歳)を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死の罪などに問われていた、母親の「ママ友」だった赤堀恵美子被告(49)の公判が21日、福岡地裁で開かれ、裁判所は求刑通り懲役15年を言い渡した。
裁判は、翔士郎ちゃんを保護する責任がない赤堀被告が、母親の碇利恵被告(40)=同罪で一審懲役5年=を支配し、犯行に加担したと認められるかが争われた。被告は起訴内容を否認し、一貫して無罪を主張していた。
なぜ「ママ友」だった2人が翔士郎ちゃんを死に追いやったのか、2人の奇妙な関係を詳報した当時の記事を再公開する。(初出:2021年3月7日 年齢、肩書き等は当時のまま)
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福岡県篠栗(ささぐり)町で5歳児が餓死した事件。3月2日に福岡県警が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕したのは、ママ友同士だった2人の容疑者だった。
2020年4月18日に亡くなったのは、当時5歳だった碇翔士郎(しょうじろう)ちゃん。逮捕されたのは母親の碇利恵容疑者(39)と、ママ友の赤堀恵美子容疑者(48)だった。両容疑者は2019年8月頃から共謀して、翔士郎ちゃんの食事を減らすなど低栄養状態にして餓死させた疑いがある。
「ママ友らが悪口を言っている」「私は味方だ」
警察の取り調べでは、赤堀容疑者が碇容疑者を精神的に支配し、多額の金銭を巻き上げていたことがわかっている。
捜査関係者の証言。
「2人が知り合ったのは、2016年4月頃。同じ幼稚園のママ友同士としてだ。『ママ友らが悪口を言っている』『私は味方だ』などと赤堀が碇を疑心暗鬼にさせ、言葉巧みに洗脳し、周囲から孤立させていったと見られている。