「最高の技術でキレイに、ていねいに、そして早く」がモットーの理美容店「プラージュ」を全国に730店舗以上展開する、理美容業界ナンバーワンの企業・阪南理美容。同社の創業者・濱屋勉氏(89)が、自身の息子や孫から実権がほぼない会長に追いやられていることが「週刊文春」の取材で分かった。
突如、長男の濱屋雅之氏が全従業員に1枚の文書を通達
理美容業界関係者が語る。
「格安理美容店として1990年代から急速に出店を拡大してきました。年間の売上は300億円超、従業員数は約6000人。業界の“ガリバー”と言える存在です。理美容業を展開する『阪南理美容』を中核会社として、複数のグループ会社があります。非上場の同族経営企業です」
そんな阪南理美容を一代で築き上げてきたのが濱屋勉氏だ。1960年に大阪で妻と創業した理美容店が原点である。
同社に異変が起きたのは昨年7月末のこと。勉氏の長男で専務を務める濱屋雅之氏(60)が突如、全従業員に向けて1枚の文書を通達したのだ。
現役従業員が語る。
「その日、まず、長男の雅之氏が『私が社長に就任することになりました』という発表を書面で行いました。すると、その直後に父である勉氏が、『いや、今まで通り私が社長です』と雅之氏の発表を打ち消す主旨の書面を発表。『一体、何が起こっているんだ?』と現場はざわつきました」
両者の言い分が真っ向から対立する「2枚の書面」
小誌は父子2人が発表した書面を入手。そこでは、両者の言い分は真っ向から対立している。
〈このたび私、濱屋雅之は、令和3年7月30日の臨時取締役会において、濱屋勉の後任として、代表取締役社長に選任され就任致すことになりました〉(息子・雅之氏)