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 ピンサロはソープランドなどと比べても相場は半額以下で、安く手軽に行ける風俗として発展し、全国に数多くの店舗が存在している。

 一般的なシステムは、来店した男性客がボックス席に誘導され、同席した女性店員から性的サービスを受けるというもの。しかし「飲食店」として営業許可を取っているため個室ではなく、ボックス席の間は低いついたてで仕切られているだけである。

いつ摘発されてもおかしくないグレーな営業形態

 その周りから見えるボックス席で店員と客が“自由恋愛”に落ち、服を脱いで体を絡める……ということになっている。その後は男性客が女性店員の口や手を使った性的サービスを受けて果てるという流れだ。摘発された「スッキリ」もまさにそのような業態だった。

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 しかし他の客から見える場所で全裸になれば公然わいせつ罪にあたり、もともといつ摘発されてもおかしくないグレーな営業形態だった。

「スッキリ」が入っていた渋谷のビル

ピンサロはもはやグレーではなく“黒”?

 “ピンサロ黙認”の流れが変わったのは、昨年5月頃から。東京オリンピックを前に警視庁が都内のピンサロの摘発を強化し、上野の人気店「マジックバナナ」に踏み込んで従業員や客ら6人を公然わいせつ容疑で逮捕したのだ。ピンサロ店は50年以上の歴史があるが、公然わいせつ容疑で摘発を受けるのは史上初めてだった。

 そして7月にも巣鴨の「曙」が摘発され、ピンサロ摘発の流れは決定的なものになった。社会部記者が続ける。

「当初はオリンピック前の“見せしめ”と思われていて、オリンピック終了後には落ち着くと予想されていました。しかし2022年に入っても摘発は止まらず、7月には蒲田の『レッドダイヤ』、今度は渋谷の『スッキリ』と人気店が次々と閉店を余儀なくされています。50年以上続いてきたピンサロという営業形態ですが、もはやグレーではなく“黒”であると警察が判断しはじめたということでしょう」