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「自分のことを応援してくれている人がいる」

「自分も先輩方とノックを受けたいしキャッチボールもしたい。一人でリハビリは辛い。孤独を感じます。そんな時にチョコを渡したい選手投票の途中経過で自分が2位にいると知りました。もちろん、誰かが一人で何票も入れてくれたのかもしれない。でもそれでもいい。自分の事を思ってくれて、応援してくれている人がいる。そう思うと、リハビリを頑張らないといけないと思いました」

 高校時代の知人や親族からも「凄いね。みんな『リハビリ頑張れ』と応援してくれているんだよ」と言って喜んでくれた。黙々と階段を上がり下りする毎日は今も続く。それでもキャンプ初日とは全く違う前向きな自分がいる。3万3099票を投票してくれた多くの人が自分にエールを送ってくれている。そう思うと単調なリハビリにも一生懸命に取り組める。

チョコを渡したい選手1位の成田翔(左)と2位の原嵩 ©梶原紀章

 総投票数11万475票(昨年8万4701票)。昨年から始まったこのバレンタインデーに向けた企画はすっかり千葉ロッテマリーンズの女性ファン(通称マリ女)にとっては2月の名物となった。原のケガが癒えボールを投じることが出来るようになる来年の2月。復活を目指す背番号「56」にどれほどの投票が集まるだろう。辛い日々を乗り越えた若者にしかない美しさは、きっと女性ファンの心を掴むと私は信じている。

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梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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