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14本のサク越えに見た明るい未来

 そうしたら読者よ、国頭が午前中だけ晴れたのだ。青空だ。清宮幸太郎には青空がよく似合う。桎梏から解き放たれ、ご機嫌だったろう。バットを持って実に明るい顔をした。ブルーのバッティングジャージだ。そのままゲージへ入る。

 それがね、とてつもなかった。カキーン、カキーン、カキーン。乾いた打球音を残し、ボールが放物線を描く。目いっぱいではなく感触を確かめてる風なんだけど、めちゃくちゃ飛んで行く。インパクトの瞬間の強さが並じゃない。しびれる。

 これが清宮幸太郎なのか。

初のフリー打撃で57スイング中、14本のサク越えを放った清宮 ©時事通信社

 僕は中田翔や大谷翔平のルーキーイヤーを見て、震えが来たのをよく覚えている。大げさに言うと「球史に対する責任」ということを考えた。キャンプ最初のフリー打撃から基準が違っていた。天才であり大才だ。野球の神様からファイターズが授かった存在だと思った。こんなすごいルーキーを育て損なったら球史に申し訳がたたないと思った。

 今、僕は同じように震えている。最高だ。57スイング中、14本のサク越え(5本の場外)だ。僕は(建て替えのため取り壊された)名護市営球場の目分量しかなくて、かいぎんスタジアム国頭のあの角度だと、例えばマット・ウィンタースと比べてどうか、ナイジェル・ウィルソンと比べてどうか、フェルナンド・セギノールと比べてどうか等々がピンと来ない。が、間違いなく破格だ。そもそも比較しようとしているのが助っ人大砲だ。

 これから僕ら本当に面白いものを見るぞ。ガッツンガッツン打ちだすだろうし、1軍で使われるのも早いと思う。ていうか牛耳られるにしたって「金田vs長嶋」のデビュー戦4打席連続三振みたいにドラマじゃないか。壁にぶつかったら、ぶつかってる清宮を楽しめばいい。必ずその壁は突破する。おそらく今日、ファイターズの新しい章が始まったんだろうなと思う。僕らはドキドキしながらただページをめくるだけ。

 球春がやって来た!!

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