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「わざわざ買った防災用品」はほぼ役に立たない…本当に役立つ「9つの日用品」を防災のプロが解説

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災害に見舞われたとき、「なぜ、こんな時間に!」「どうして私が住む地域に!」などと驚いたり、あわてていても始まりません。「いつ、何が起きてもおかしくない」という考え方をベースに持ち、日々の暮らしの中で防災を意識していただきたいと思います。

自動車の教習所や免許センターでは「だろう運転」「かもしれない運転」ということを、教えています。「だろう運転」とは、「この交差点を急に曲がっても大丈夫だろう」などという根拠のない予測に基づいた運転で、「かもしれない運転」とは「もしかしたら子どもが飛び出してくるかもしれない」など、あらゆる可能性を想定した安全な運転のことです。

この「かもしれない運転」の意識をぜひ防災に関しても持っていただきたい。それが「生活防災」の基本です。そして、「防災用品をわざわざ用意する」のではなく、いざというときのために「普段使うものを防災に役立つかどうかという観点を入れて選ぶ」というのが、「生活防災」のために重要な点です。

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では具体的な「生活防災」の方法についてご説明していきましょう。

防災グッズになる9つの日用品

「生活防災」で何より重要なのは、先にお話ししましたが、「いざというときの備えの防災用品」ではなく「日常的に使うモノを防災グッズにしておくこと」です。その代表的な例をご紹介しましょう。

◎新聞紙

溜まるとかさばるので、つい処分してしまいがちな新聞紙。新聞紙はさまざまな用途に利用できます。燃料がないときの焚きつけに使うほか、加工してコップや食器、避難所で使うスリッパを作ることもできます。その方法はネット上で数多く紹介されています。衣服の間に入れれば保温効果もあり、細長く丸めれば骨折時の副え木になるなど大活躍します。

最近では新聞をとっていないご家庭も増えてきていますので、チラシや雑誌などを一定量保管しておくのもお勧めです。

◎ダンボール

自宅で避難生活をしている場合に、割れたガラス窓の一時的な補修、家財の整理や持ち出しの際など、多くの用途に使えます。また、災害発生時に自宅を離れ、避難所へ移動しなければならない場合にも、隣の家族との間のパーテーションとして使用したり、簡易ベッドを作ったりなど、ダンボールは非常に役立ちます。敷物として使えば断熱効果も高く、ある程度のクッション性もあるため、学校の体育館など避難所の硬い床でも体を休めることができます。

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