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「わざわざ買った防災用品」はほぼ役に立たない…本当に役立つ「9つの日用品」を防災のプロが解説

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風呂水というのは、非常に不衛生です。お風呂に誰かが一度入ったら体表面の細菌が流出して、お湯が大腸菌などでいっぱいになり、日を追うごとに数千倍に菌が増殖します。被災時の過労やストレスで免疫力が落ちていると、そういう不衛生な水が目に少し付着しただけで簡単に結膜炎などになります。

風呂水は、火を消したり、植木の水やり、トイレを流したりするぐらいにしか使えないのです。マンションなどの集合住宅でトイレが流せなくなった場合に備えるには、風呂水を溜めておくよりも、普通の水道水をある程度の量、ポリタンクなどに用意しておくことをお勧めします。

高価な非常食を買う必要はない

②食料

「ローリングストック」という備蓄の方法を最近よく耳にするようになりました。普段食べている食材で、缶詰、レトルト食品、パスタなどの乾麺など、わりと保存の利くものをやや多めに購入し、賞味期限の古いものから消費していくやり方です。

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賞味期限が長期にわたる「非常食」は、普段食べているものと比べると割高です。昔の非常食の定番だった「乾パン」などに比較すれば、種類も豊富になり、栄養価も高く、味も素晴らしいものが揃っています。それでも、しまい込んだあげくに賞味期限を過ぎてしまい捨てるという悪循環に陥りがちなのです。

ローリングストックなら、「賞味期限5年」「賞味期限10年」といった特別な長期の保存食を購入する必要はありません。被災時には、手間がかからず簡単に栄養を補給でき、かつ満足感を得られるものを食べることが、二次的な健康被害を防ぐ意味でも重要です。

お勧めの食材は「パスタ」

ちなみに、私は約1週間分の麺類や缶詰などの保存食料は常にストックしています。一般的には3日分の水や食料を備蓄することが推奨されていますが、今後、大規模な災害が発生する可能性が高い日本に住む限りは、家族全員が配給などを受けずに、1週間過ごせるよう計算して、水や食料を用意しておくようにしましょう。

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