住まいは壊して建替える時代から、リフォームし住み継ぐものへと変化している。住友不動産はわが家の“再生”でwell-beingな社会を支える。
健やかで安全な住まいへと“再生”する
地震に弱いうえ、夏は暑く冬は凍えるほど寒い。築年数の古い戸建て住宅は多くの問題を抱えている。しかし費用のかかる新築建替えは容易ではない。ならば既存の家を活かすことで、強く快適な住まいへとより安価に“再生”できないか。そんな発想から一棟をまるごとリフォームする「新築そっくりさん」は誕生。1996年の事業開始以来、累計受注棟数は16万棟を超え、業界トップランナーとしての地位を確立した。
「暮らしのニーズに対応すべく、さらに進化を続けています。目指すのは人生100年時代にふさわしいwell-beingな住まいの実現です」
住友不動産常務執行役員・新築そっくりさん事業本部長の中野誠氏はこう語る。
冬でも子どもが半袖で走り回るほど暖か
とくに近年、力を入れてきたのが住宅の高断熱化だ。2021年には、新築の省エネ基準*と同等の断熱性能を確保できる「高断熱リフォームプラン」の提供を開始した。
「日本の既存住宅の約9割が現行の省エネ基準を満たしておらず、約3割は無断熱と推計されます(下図)。しかし無断熱の家は住宅内の寒暖差が大きく、健康への害が大きい。冷暖房が効きにくく光熱費がかかりやすい点も無視できません」と中野氏は指摘する。
「高断熱リフォームプラン」では、断熱材やサッシ交換はもちろん、熱や冷気を回収する換気システムなども取り入れ、築年数が経過した古い家でも断熱性能を飛躍的に高めることを可能にした。しかも一棟まるごとから、必要な部屋のみなど、暮らし方に合わせた施工ができる。
実際に築約50年の木造住宅を「新築そっくりさん」でリフォームした家庭からは「冬でも子どもが半袖で走り回るほど暖か」「冷暖房費が大幅に下がって驚いた」などの声が寄せられている。
さらに住友不動産と東京大学、武蔵野大学の共同研究**では、今ある家を「新築そっくりさん」で改修した場合、建替えより施工時のCO2排出量を約半分に削減できることが判明。家のライフサイクルCO2排出量も新築建替えより早く実質ゼロにすることができ、地球にやさしい工法であることが明らかになった。
「お客様が健やかで、快適に暮らせる住まいへと生まれ変わらせることが、同時に持続可能な社会の実現につながっていきます。住宅再生を通じて、人と地球にやさしい取り組みを続けていきます」
* 平成28年省エネルギー基準
** 東京大学・武蔵野大学・住友不動産 改修脱炭素共同研究 2023.6.15
一棟まるごとリフォーム「新築そっくりさん」
「新築そっくりさん」は建物の基礎や躯体などの主要な構造部を活かすため、住宅を一度解体・廃棄する建替えに比べて工事費を抑えられるうえ、廃棄物が少なく環境にやさしい。古い家の耐震性能・断熱性能を高めながら、より快適な住まいへと再生できる。
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photo(portrait):Tadashi Hosoda
text:Emi Morishige
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