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『夜明けのすべて』は、パニック障害とPMS(月経前症候群)を抱えた男女がお互いに助け合う姿を描いた物語だ。この作品を通じて伝えたいメッセージを尋ねると、こう語った。

「“優しさの提示”みたいなことだと思っています。誰かに寄り添うとか、誰かを理解するってすごく難しいことですが、この映画に出てくる人たちは、ただ隣にいることが上手な人たちだと思います。何かをしてあげることだけが優しさではなくて、『うん、うん』って話を聞いて、隣にいてあげる優しさをすごく感じるんです。

 今の時代、みんな、どこかしら不調を抱えながら生きていると思います。そこから逃げずにどう向き合って、どう暮らしていくのか。そんな大きなテーマを持った作品です。しかも全体として、温かさとユーモアに包まれている。とにかくもう、いくらでも語れますし、そう思える作品に出会えたことは、本当に幸せなことだと思います」

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5000人のファンを前に「人間がいっぱいだ(笑)」

「yattokosa」2023東京公演にて 写真=杉山秀樹 Ⓒ文藝春秋

 撮影中、自然体の魅力を見せたのは、昨年11月25日に東京国際フォーラムで開かれた単独ライブ「yattokosa」2023でのことだ。

「モネちゃ~ん!!」

 客席からそう呼びかけられると、こう笑顔で返した。

「はーい。ありがとね~!」

 全席ソールドアウトの客席に座った5000人のファンにこう語り、笑いを誘う。

「人間がいっぱいだ(笑)」

 アンコールを含め全19曲を歌い切ったこの日のライブについて、こう振り返った。

「ライブを観に来てくれた人たちはみんな、『温かいファンの人たちだね』って言ってくれます。それは私も凄く感じていることなので嬉しいですね。コロナ禍の3年間はあまりファンの方との交流が持てなかったですから、直接触れ合えるのが楽しいんです。

 なかなかクイックに反応をもらえる仕事ってあまりないんですよ。映像は時間差がありますし、舞台も必ずビビッドな反応があるというわけではない。でも、ライブは1曲ごとにファンの皆さんが反応してくれます。こんなに温かい方々に支えられているんだっていうのが改めて実感できるんです」

ほかにも、バラエティ番組のMCを務める悩みや自身の肩書きについての思い、目指すべき“上白石萌音像”などについて語った本記事の全文「『横顔を撮られてドキドキした』上白石萌音『日本の顔』アザーカットを大公開」は「文藝春秋 電子版」に掲載されています。
また上白石萌音さんが出演された「文藝春秋」2024年3月号の巻頭グラビア「日本の顔」、また、絵本作家ヨシタケシンスケさんとの対談「正々堂々、弱音を吐こう」(2024年1月号)もあわせてお楽しみください。