文春オンライン

謝罪会見で薄ら笑い浮かべ批判殺到 園児バス置き去り死亡事件は7月4日に判決公判…発生からこれまで【静岡発】

source : 提携メディア

genre : ニュース, 社会

note

さらに千奈ちゃんの名前を何度も間違えたほか、いらだちを見せる場面もあった。

廃園の約束めぐり園と遺族に深い溝

千奈ちゃんの父親によれば、園長などは事件の翌日に「川崎幼稚園を廃園にすること」と「主要な管理職が辞職すること」の2点を約束したという。

千奈ちゃんの遺族に宛てた”念書”

しかし、川崎幼稚園の運営は今も続いている。

ADVERTISEMENT

それどころか、運営法人の理事長には前理事長(園長)の息子であり、事件当時は園の事務長を務めていた人物が就いていて「約束を反故にされた」と憤る。

園の”継続”を表明した川崎幼稚園の現理事長(2023年9月)

これに対して、現理事長は「遺族の悲痛な思いというものは十分理解している一方、希望者がいる以上は園の継続はしていかなければいけないと考えている」と主張し、両者の間には埋めがたい溝が出来ている。

検察が元園長と元クラス担任を起訴

この事件をめぐっては、警察がバスを運転していた当時の理事長 兼 園長など4人を書類送検し、検察はこのうち園長とクラス担任(いずれも当時)を業務上過失致死罪で起訴。

2024年4月23日に行われた初公判では、ともに起訴内容を認めた。

初公判の法廷内スケッチ

ただ、元園長は被告人質問で、事件の前年に福岡県中間市で同種の事件が起きて国から通知が発出されたにも関わらず安全計画を作らなかった理由について「入院していて、いずれ作ればいいかなと思っていた」と口にしたり、「乗務員(補助員)がシャッター(スライドドア)を閉めたので、(園児は)もういないと思った」と述べたりするなど、責任感に欠ける言い訳を繰り返す。

また、廃園の約束については何度尋ねられても「そのことは口にすることは出来ない」と口をつぐんだ。

遺族は実刑を求める中…

こうした中、6月13日に行われた公判では、千奈ちゃんの母親が「千奈を返して欲しいと毎日、毎日思っている。すべてを奪った加害者を絶対に許すことは出来ない」と現在の心境を吐露したのに続いて、父親も「強烈な怒りと恨みで両被告を殺してやりたいと考える日も少なくない」と悔しさをにじませ、検察側は「何の落ち度もない被害者が3歳で命を落とした結果は取り返しのつかない重大なもの」などと指摘し、元園長に対して禁錮2年6カ月、元クラス担任に対して禁錮1年を求刑。

一方、元園長の弁護人は一貫して自分の責任と罪を認め反省もしていることを理由に寛大な判決を求め、元クラス担任の弁護人も「罪を認め『自分が連絡していれば』と反省している」などとして執行猶予付きの判決を主張した。

判決は7月4日午前11時から静岡地裁で言い渡される。

(テレビ静岡)

謝罪会見で薄ら笑い浮かべ批判殺到 園児バス置き去り死亡事件は7月4日に判決公判…発生からこれまで【静岡発】

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー

関連記事