7月30日、公正取引委員会は、アメリカのオートバイメーカー「ハーレーダビッドソン」の日本法人「ハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)」に立入検査を実施した。
容疑は独占禁止法違反の「不公正な取引方法」。HDJはディーラーに対し、ディーラー側が希望していない過去の売れ残り車両などを強制的に出荷していた疑いが持たれている。
「週刊文春」はこれまで複数回にわたってHDJによる"ディーラーいじめ"の実態を報道。編集部にはディーラー経営者たちの悲痛な声が次々と寄せられていた。
今回の公取の立入検査のきっかけとなった当時のスクープ速報を再公開する。(初出:文春オンライン2024年5月13日配信。年齢・肩書等は公開当時のまま)
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「週刊文春電子版」がこれまで複数回にわたって報じてきた、アメリカのオートバイメーカー「ハーレーダビッドソン」の日本法人「ハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)」と国内正規ディーラーの間で浮上している「過剰ノルマ」や「自爆営業」などの数々の問題。複数のディーラー関係者の通報を受けた公正取引委員会が調査に乗り出していることが新たに分かった。
ディーラーの“反撃の一手”
ハーレーの国内ディーラーが相次ぎ閉業に追い込まれている。昨年4月時点での店舗数は110店舗だったが、今年5月9日時点で97店舗とわずか1年で約1割減。その背景にあるのが、HDJがディーラーに強いているノルマだ。現在、目標を達成するために負債を抱えてまで“自爆営業”を行うディーラーが続出している。
追い詰められたディーラーだが、実は“反撃の一手”を繰り出していた。
「すでに複数のディーラーオーナー、元オーナーが公正取引委員会に相談しているのです」(ディーラー現役店長のA氏)