ロシアを訪問した鈴木宗男参院議員が1日に帰国した。渡航中止勧告中の訪露に対し、林官房長官が望ましくないとの認識を示したことについて、「一番国益を考えている者が悪く思われて、何もしないのがいいなんてことはない」と反論した。

鈴木氏は日本時間の7月28日にモスクワ入りし、ロシア外務省や漁業庁の政府高官らと相次いで会談し、4日間の滞在を終えて帰国した。ウクライナ侵攻後、鈴木氏の訪露は2023年10月に続き、2度目となる。

鈴木氏は、岸田首相が7月にNATO首脳会合に出席した日本の姿勢について、ロシア政府関係者から厳しい反応があったと明かし、「クリミア問題が発生したとき、安倍元首相はちゃんと日本の立ち位置や独自性を示したが、『今はもうアメリカの言いなりだ。どうしてこんな日本になったんだ』という思いが強い」と語った。

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鈴木氏はモスクワ市民の生活について、前回の訪露と比較し、「2023年よりも何となく明るい。レストランもよく人が入っていた。食糧不足という話が出ているが、2024年はより豊富になっている感じがした」と感想を述べた。

鈴木氏は、北方領土の歯舞群島・貝殻島周辺での日本漁船によるコンブ漁の再開もロシア側に要請していて、「8月3日に灯台の修理を終える予定で、『安全性が確認されてから速やかに再開したい』と、非常に前向きな話があった」と語り、訪露の成果を強調した。