空気の乾燥が気になる季節、鏡に映る自分の顔のシワやたるみにドキッとさせられることはないだろうか。

「秋はもっとも女性の肌が老化する季節と言われます。夏の紫外線ダメージの名残に加え、乾燥や気圧の変化で新陳代謝のリズムが乱れがちになるためです」と石原新菜先生。

教えてくれたのは
石原新菜先生
医師/イシハラクリニック副院長/ヒポクラティック・サナトリウム副施設長/健康ソムリエ理事・講師/ロングライフラボ理事
教えてくれたのは
石原新菜先生
医師/イシハラクリニック副院長/ヒポクラティック・サナトリウム副施設長/健康ソムリエ理事・講師/ロングライフラボ理事

 根本的な原因として、血流がスムーズに行われないこともある。

「女性の約8割は冷えに悩んでいると言われます。体の不調ばかりでなく、顔表面も血行が悪くなると温度が下がり、ターンオーバーが乱れ、シワやたるみにつながるのです」

 温活には入浴や湯たんぽ、しょうがなど様々な方法があるが、体の内側から温めることを第一に考えたい。

「そのために欠かせないのが軽い運動習慣。筋肉を作ることで自ら熱を生み出せるようになります」

 美肌のためのマッサージやエクササイズもあるが、直接肌に触れず、筋肉に作用できるいいトレーニング方法がよく「噛む」ことだ。

「噛むことで顔の筋肉が活動して肌の表面温度が上昇します。食事の際にきちんと噛むことが基本ですが、そのほか、いつでも気軽にできる『ガムトレ』もおすすめです」

ガムを噛むことで叶えられる3つの美容効果とは?

研究結果●ガムを噛んでいない安静時と比べて、ガムを2粒噛んだ後は、頬、正面、口まわりにおいて顔の表面温度が有意に上昇した。咀嚼終了から3分後でも、両頬正面の温度上昇は継続していた。
出典:日本抗加齢医学会誌「アンチ・エイジング医学(2024年6月号Vol.20 No.3、36-41)」(株式会社ロッテ 中央研究所)
研究結果●ガムを噛んでいない安静時と比べて、ガムを2粒噛んだ後は、頬、正面、口まわりにおいて顔の表面温度が有意に上昇した。咀嚼終了から3分後でも、両頬正面の温度上昇は継続していた。
出典:日本抗加齢医学会誌「アンチ・エイジング医学(2024年6月号Vol.20 No.3、36-41)」(株式会社ロッテ 中央研究所)

『ガムトレ』とはガムを噛んで行うトレーニング。最近の研究でガムを噛むと顔の筋活動と表面温度が上昇することが明らかになった。温度等の上昇によって新陳代謝が活性化すると3つの良いことが期待できる。

「ひとつはくすみの改善です。肌の新陳代謝がよくなり、目の下のクマ解消も期待できます。2つめはきめ細やかな肌になること。ターンオーバーが促進され、肌のハリにも影響します。3つめは表情筋に働きかけて美しい笑顔が生まれることです」

 噛むというリズム運動で幸せホルモンであるセロトニンの分泌も増加。ストレスや不安の低減、集中力を高める作用も報告されている。

「最近、PoA(ペースオブエイジング)という考え方により、老化の速度は人によって異なることがわかりました。ある研究によれば、老化が1年で0・4歳しか進まない人と2・44歳も進む人がいるとか。これは生活環境によって変わるものなのです」

 忙しくてもできるガムトレで、生き生きとした若さを手に入れたい。

噛むことは、脳や心、身体にまで多大な影響を及ぼしていることがわかってきた。
噛むことがもたらす意外なパワーについては、こちらから。

提供/株式会社ロッテ

photo : Takashi Shimizu / text : Ayaka Sagasaki