一流高校の教師→大手投資銀行CEOからスカウトされ…

 教員資格を持たないにもかかわらず、マンハッタンにある一流私立高校で数学と物理の教師となったエプスタインは「女生徒に対して不適切な行動」があったとされている。だが、そのことで咎められることはなく、「教員としての成長がない」として2年で解雇される。

 しかし、ある生徒の父親がエプスタインの“知性”にいたく感心しており、その父親がやはり同校に子供を通わせていた大手投資銀行「ベア・スターンズ」のCEO、アラン・グリーンバーグにエプスタインを紹介。グリーンバーグはエプスタインをベア・スターンズに迎え入れた。

 ベア・スターンズでは富裕層の顧客を対象に成功を収めるが、1982年に自身のコンサルティング会社を設立し、以後、金融界でのし上がっていく。エリート層が集まるニューヨーク社交界にも顔を利かせるようになり、不動産業者であったドナルド・トランプとも1990年頃に知り合っている。

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 当時エプスタインとトランプがパーティ会場で共にいる写真が何枚も残っている。中にはトランプと結婚する前のメラニア、エプスタインの恋人ギレーヌ・マクスウェルも含めて4人で写っているものもある。

(左から)トランプ、メラニア、エプスタイン、ギレーヌ・マクスウェル ©getty/Davidoff Studios Photography

 また、女性下着ブランドの大手、ヴィクトリアズ・シークレットの会長兼CEOであるレスリー・ウェクスナーとも知己となり、エプスタインは同社の財務を一手に引き受けることとなった。

 エプスタインの死後にニューヨークの邸宅内が撮影された報道写真を見ると、エプスタインが世界に名だたる著名人――ミック・ジャガー、イーロン・マスク、フィデル・カストロ(キューバの革命家、故人)、教皇ヨハネ・パウロ2世(故人)、リチャード・ブランソン(英国の実業家、ヴァージン・グループの創設者)、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子――などと写っているスナップ写真が多数飾られている。また、書斎には小説『ロリータ』の初版本が飾られていた。

カリブ海に浮かぶリトルセントジェームズ島、通称「エプスタイン島」。エメラルドグリーンの海に囲まれた島には、衛星写真でもはっきりと大邸宅が視認できる。ブルームバーグの報道によると、数々のセレブ達も訪れたとされるこの島は、事件発覚後、地元民から「乱交島」「ペドフィリア(小児性愛)島」と呼ばれていた ©AFLO

 社交的なエプスタインは自宅で頻繁にディナーパーティを開き、ビル・ゲイツ、ウディ・アレン(映画監督)、ノーム・チョムスキー(言語学者)など様々な分野の第一人者たちとの交流も深めていた。ただし、こうした著名人たちは必ずしもエプスタインの“顧客”ではない。

 だが、英国のアンドルー王子(故エリザベス女王の第三子)は、エプスタイン島で性行為を強要されたとする当時は未成年だった女性に訴訟を起こされている。元大統領のビル・クリントンはエプスタインと特に親密であったことから、「顧客」であったか否かが常に取りざたされている。

 また、2025年7月にはウォールストリートジャーナルがこんな報道をした。