楽天は21日の中日戦で交流戦が終了した。普段はみられないカード。試合前には、それぞれのチームの選手たちが再会を喜ぶ場面をよく見る。高校、大学の先輩後輩だったり、ともに自主トレを行っていたり……。談笑している場面を見ながら「この2人はこういう関係か」と思わず考えてしまう。

 楽天担当になる前の21年、ヤクルトの取材担当を1年間務めさせていただいた。私にとって初めてのプロ野球取材で担当した球団。右も左も分からず、さらにはコロナ禍。たくさん迷惑をかけてしまったが、たくさんの勉強をさせていただき、リーグ優勝と日本一の記事を発信することができた。今でも思い入れは強く、チームや選手、つば九郎の動向はときおりチェックしている。

 楽天とヤクルトの両方に縁のある選手は……。もちろん石井一久監督(49)や、三木肇2軍監督(46)、雄平2軍打撃コーチ(38)、川島慶三2軍打撃コーチ(39)ら、神宮でプレーした指導者は多い。

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高津監督の存在感に圧倒された高校時代

 ドラフト1位ルーキーの荘司康誠投手(22)も、縁がある。新潟明訓高時代には、2学年上と1学年下に、ヤクルト高津臣吾監督(54)の子どもが野球部に在籍していた。荘司も高校時代、応援にかけつけた高津監督の姿を何度も見かけた。

「関東遠征に行った時に観に来てくれたこともありました。練習時間でたまたまいらっしゃってというのはすごく覚えています」と懐かしむ。長くヤクルトを支えた守護神で、メジャーリーグのマウンドにも立った名投手。先輩後輩のお父さんとして見ることができたか? 「そんな目では見てないですよ(笑)。おお、いるみたいな……」。その存在感に圧倒された。

 立大をへて22年ドラフト1位で楽天に入団。球団の期待も高く、今春のキャンプから1軍で過ごした。ヤクルトとのオープン戦が行われたときは、高津監督へプロ野球選手となったことを報告。「『頑張れ! めっちゃ応援しているから』と言っていただきました」とうれしそうに笑った。

荘司康誠 ©時事通信社