三菱UFJ銀行で昨年11月、顧客の貸金庫から10億円超に相当する貴金属や現金を盗んでいたとして懲戒解雇された元行員のA子(46)。その素性について「週刊文春」が取材を進めると、今回新たに、「破産寸前」だったA子の過去が判明した――。
スウェット姿のA子と夫は…
窃盗の手口は大胆なものだった。社会部記者が解説する。
「女性行員A子は2020年4月から昨年10月までの間、都内の練馬、玉川の2支店で顧客の貸金庫から現金や金塊を盗んでいました。当時A子は営業課長などの支店責任者を務め、支店が保管するスペアキーを使用し、無断で金庫を開けていたのです。
金庫から抜き取った現金を他の金庫に入れ、発覚を遅らせた“小細工”も明らかになっている。盗んだ金はハイリスクな『FX』(外国為替証拠金取引)に使ったと話しているようです。三菱UFJは捜査当局に相談しており、捜査当局も本腰を入れて『Xデー』に向けて順調に捜査を進めているとみられます」
事案発覚後、窃盗の行為を認め、銀行の調査に応じていたというA子。発覚から約2カ月、その所在や現状は明かされていなかったが、「週刊文春」取材班は1月4日号でスウェット姿のA子に直撃取材した。場所は東京23区北西部の自宅だ。駐車場には車が2台停まっており、古びているが周囲の家々よりもひときわ大きい一軒家である。
当初は「A子さんですか?」との問いに「はい」と答えるも、「週刊文春」記者の名刺を受け取ると、顔をこわばらせ「違います。ちょっと不在にしてるんで」と取材を拒否。後日訪れると夫がインターホン越しに対応し、A子の窃盗を認めた上で「離婚とかしてるんで」などと語ったのだ。
「借金を大幅に減額できる」手続き
そして――。その後も取材を続けると、A子が2014年、借金を大幅に減らす「小規模個人再生」の認可を東京地裁から受け、手続きをしていたことが分かった。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル