橋本環奈は不機嫌な時がいちばん魅力的だ！

『おむすび』はけっこうひどい朝ドラだと思う。

　どう見ても「作者が何を書きたいのか決まってなくてブレブレ」で、「ギャルやヤンキーのコスプレ（にしか見えない）」や「栄養士とはこういう仕事です」の紹介DVDみたいな場面や、「一瞬で解決する浅ーい事件」で時間をかせいでいる。ほんと色々ひどい。

　世間でも評判は低いと思うのだが、『虎に翼』の時のような、絶賛と対になって噴出した「とらつばヘイト」みたいなものはない。怒る気にもなれないか。『あさイチ』も「朝ドラ受け」がめっきり少なくなってるし。

　でも「見たくない！」ことはない。毎朝NHKがつけっぱなしで『おむすび』も自然に流れるが、まさに「流れる」のだ！　目の上をスルスル流れていく！　朝の仕事の手を止めることもない、適度なBGM。テレビで『おむすび』が流れていると「まあボチボチ家事だの仕事だの猫の世話だのしますかね」という気分にはなる。朝の就業ベル聞いて「あーあ」といいつつ気合い入れる、みたいな。

　そういう目で、見るともなく流し見をしていた『おむすび』なんだけれど、さいきん楽しみを発見した。

『おむすび』がどうにもドラマとして盛り上がらない大きな原因のひとつに「橋本環奈の演技がつまらない」があると思っていた。

　ドラマで人の心を動かすのは、演技力というのは実はそれほど重要じゃなくて、棒読みだろうが噛もうが、なんだかわからないが「胸に来る」ということが確実にある。アイドルが芝居に出てきて、バカにしてたらつたない演技なのになぜか感動してしまうというようなことってあるでしょう。

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