過熱するばかりの中学受験。そんな中、塾の勢力図を書き換える激震が走った。絶対王者のサピックスが難関校の合格者を減らし、他塾の猛追を受けているのだという。少子化、高校無償化などで揺れ動く受験戦争の今に迫る!

 

【前編:『《サピックス、早稲アカ、日能研》大手中学受験塾「2025・難関校合格リスト」…サピックスは「御三家&御三卿」“前年比117人減”の衝撃』から続く】

 これまで、中学の受験業界において圧倒的な実績を誇ってきたのがサピックスだった。

「サピックスは他塾を圧倒する合格実績を誇る“絶対王者”です。教師・授業・テキスト、どれも最高峰であることは間違いありません。難関校で出題される問題は思考力をみるものが多いのですが、それに対応した力を養うサピックスの質の高さは出色です」(杉浦氏)

 近年は東京最難関とされる筑波大学附属駒場(筑駒、偏差値72)の合格者の約8割(今年も前年から5人増の103人)、男子最難関の開成や女子最難関の桜蔭でも約6割を占めている。

桜蔭(右)と麻布(公式サイトより)

「『復習主義』で中学受験対策のスタイルを変えた」と指摘するのは、おおた氏だ。

「昔は授業前にテキストの問題を自分なりに解いてから授業にのぞむ『予習型』が塾の勉強の主流でした。しかし、サピックスが台頭してきた90年代以後それが変わりました」

 サピックスでは授業でまず子どもにプリントを配り、初見の問題を考えさせる。

「授業でその考え方や解法を教え、ドリル的に大量の宿題をやらせる復習主義をウリにしたのです」(同前)

 この復習主義が高い合格実績につながったのだという。

 だが――。

 このようなサピックスの強みが、近年は陰りを見せ始めていると指摘するのは長谷川氏である。

「サピックスは、東京に晴海校や東麻布校(赤羽橋校)を開校して全体の校舎数を増やしています。それにも関わらず、在籍人数は減っているのです」

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source : 週刊文春