「ばんざーい! ばんざーい! ばんざーい!」
3月23日に投開票された福岡県知事選挙。午後8時ちょうどに当選確実の報せを受け、万歳三唱で勝利を噛みしめたのは現職の服部誠太郎氏(70)だった。

県政担当記者が解説する。
「コロナ禍の2021年に副知事を辞職して県知事に初当選した服部氏は、今回の選挙では感染症対策や企業誘致などの実績を強調。自民、立憲、国民など5つの政党から推薦を受けて約103万票を獲得し、新人3人に大差をつけて再選を果たしました」

そんな今回の選挙戦において、最大の争点となっていたのが「ワンヘルス」という県が推し進める事業だった。一体これはどんな取り組みなのか。
「人の健康、動物の健康、環境の健全性はいずれも関連していることから、これらを一体的に守っていくという考え方。福岡県では、こうした取り組みを世界にアピールする国際フォーラムを開催したり、県産の農林水産物を認証する『ワンヘルス認証』を創設したりと、その事業は多岐に渡っている。22年度から4年間のワンヘルス関連予算は当初予算ベースで計100億円を超えています」(同前)
隈研吾氏が協力した“3億円モニュメント”
これだけの巨額予算が投じられているわりに、「ワンヘルス」の概念はどうにもよくわからない。県HPの説明を読んでみると、たとえば新型コロナなどの感染症は、生態系の劣化や気候変動等によって人と動物との関係性が変化し、もともと野生動物が持っていた病原体が人にも感染するようになったものであり、だからこそ人、動物、環境の健全性を一体的に守らなければならないのだという。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル