長い会議を終えて部屋に戻ると、着信の履歴があった。それも何回か。かけ直すと、

「あ、マリコさん! よかったー、話せて」

 友人の奥さんの声。

「あのね、今アメリカから電話があって、スポンサー筋から大リーグ開幕戦のチケットが手に入りそうなの。一緒に行かない?」

 えー、あの開幕戦を観られるというのか。チケットはプラチナを通り越して、ダイヤモンド級になっているという。

 この世で起こっている楽しそうなこと、面白そうなイベントには絶対に参加したい、というのが私のモットーである。しかしこの開幕戦は絶対無理と思っていた。

「それでいつなの?」

「18日、開幕戦の初日」

 震える指でスマホのタイムツリーを開く。たいてい夜は会食が入っている私。どうかキャンセル出来そうな相手でありますように……、18日の夜……と。

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source : 週刊文春 2025年4月3日号