もう半ば諦めていたんですよ、私は。鎌倉市の江ノ電、極楽寺駅近くの古民家に何人もの家族と住む長倉和平(中井貴一)と、お隣に越してきた吉野千明(小泉今日子)の、あのテンポ良い絶妙な会話を観ることはできないのかな、と。

『続・最後から二番目の恋』の放映は二〇一四年。五十二歳だった市役所勤務の和平は定年を迎えている。

 それがなんと、狂喜のサプライズ。『続・続――』が春から始まった。

中井貴一 ©文藝春秋

 長倉家の面々は、まあ基本的には変わってないか。朝は隣家に住む千明が朝食を一緒に。和平の弟、真平(坂口憲二)の料理が絶品でね。食事の前に、千明と和平が、ちょっとした事で嫌味を言い合い、それがどんどんエスカレート。

 テレビ局のやり手プロデューサーだった千明は弁もたつし、気も強くヤンキー気質もある。ところが、実直な公務員の和平が、マジメさゆえか自説を曲げず、屁理屈まがいの正論でやり返す。これがお約束です。

 市役所とテレビ局。一見正反対の職場に身を置く二人が、奥底では信頼しあって、ほぼ恋愛に近い関係だからこそのトークバトルが笑えて笑えて。

 観光推進課でキチンと仕事をこなし部長で定年を迎えた和平だが、なんやかんやで再任用。かつての部下(松尾諭)から無理難題も押しつけられる。

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source : 週刊文春 2025年5月22日号