「行政で重視されるべき手続きが軽視され、知事のやりたい放題が続いている。非常に憂慮すべき事態だと感じます」

 

 こう語るのは、現役の茨城県職員だ。

 5月30日午後、茨城県知事の大井川和彦氏(61)が、9月25日の任期満了に伴う県知事選の3選出馬を表明した。

「地方の茨城が生き残るには、新しい未来を自分たちで切りひらいていく覚悟が求められるのではないか」

 今回の県知事選に向けての出馬表明は、大井川氏が一番乗りだ。有力な対抗馬が存在しない中での出馬会見は、余裕そのものだった。2期8年の自身の県政運営について「非常に大きな成果が出ている」「前例にとらわれず、合理的な対策をスピーディーに打ってきた」などと強調した。

2017年に初当選した大井川知事。左は由香夫人 ©︎時事通信

 だが、胸を張る知事の陰にはさまざまな疑惑が燻る。

 5月下旬には、飯塚博之副知事によるパワーハラスメントを訴えて自殺した秘書課職員の桜木拓也氏(仮名=享年41)をめぐり、県が設置した第三者委員会は報告書で「パワハラはなかった」と結論づける一方で、「副知事の言動に全く問題がなかったわけでもない」などと付言していたことが明らかになった。2月に県が報道陣に公表した報告書の概要には、「副知事の言動に~」の部分は公表されていなかった。

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