「もし伝えることができたら、一番先に祖父に受賞を伝えたかった」

 

 英国最高峰のミステリー文学賞・ダガー賞翻訳部門を受賞した(おう)(たに)(あきら)さん(44)。日本人初の快挙を祝し、直撃インタビュー!

「私のオタク趣味は、亡くなった母方の祖父からの影響がすごく大きくて。定年後は録画した映画のVHSを家に陳列して“ひとりTSUTAYA”を開業していましたから、お陰でたくさんの物語に触れることができました」

 1981年、東京都生まれ。書店を経営する両親のもと、本に囲まれ「物語に浸って」育ち、19歳からライターとして活動を始めた。ダガー賞を知ったのも、海外ミステリー好きの祖父を通じてだった。

授賞式で訳者のサム・ベット氏(左)らと ⒸIsac

「本好きのインテリで理系の研究職だった祖父は、私が物書きを始めた頃から応援してくれていました。きっとすごく喜んでくれていると思います」

 受賞後、両親には「自分の子どもがこんなことになるとは」と驚かれたと笑う王谷さん。作家として本格デビューする30歳頃までは紆余曲折の人生だった。ゲームのシナリオやライトノベルを執筆する傍ら、警備員やコールセンター、工場勤務などで日銭を稼いだ。

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source : 週刊文春 2025年7月17日号