【前回までのあらすじ】人を襲ったクマの駆除は二日目に。マチ、アヤばあ、勇吾、新田に熊野も合流するが、そこに「ゆるハンター」名義で狩猟の配信をしている近藤と小見山が現れる。小見山を追ってマチと勇吾が山に入ると、そこにクマが。二人であとを追うと、クマが藪から飛び出してきて勇吾が肩を負傷。マチは、そのまま一人で追い、ついにそのクマを仕留める。

ようやく目的のクマを仕留めたとして、ここで安心して何もかも終わり、とはならない。
マチは胸ポケットからスマホを取り出した。画面をつけた時に一瞬電波の表示が一本立っていたが、すぐ消えてしまった。圏外とぎりぎりの境なのかもしれない。
仕方なく、まずは足元にあるクマの死体の横に散弾銃を置き、写真を撮る。個人的な記念のため、という訳ではなく、単なる記録用だ。ぎりぎり日没前に発砲した、という証明にもなる。
それから片手でスマホを掲げ、さっきゆるい傾斜を感じたあたりの草をかき分けた。少しでも高いところならば電波が通じるかもしれない。これでだめなら、クマの死体がカラスやキツネに荒らされるリスクはあるが、偶然えみりのメッセージを受信した地点まで戻るしかない。
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source : 週刊文春 2025年8月14日・21日号






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