「週刊文春」で連載「野球の言葉学」を執筆しているジャーナリストの鷲田康さん(68)。今も取材現場に足を運ぶ元スポーツ紙記者の鷲田さんが直面したのが、医師からの「膵臓がん」に関する宣告でした。発覚したきっかけから医師からの説明で知った「0期治療」の考えまで体験をレポートします。本記事は後編。前編はこちら

 3泊4日の連続膵液細胞診(SPACE)検査

「あなたは5年以内にかなり高い確率で膵臓がんになります」

 東京女子医科大学病院消化器内科の菊山正隆先生からこう“宣告”を受けてから、ほぼ1年半が経過しようとしている。

 最初に菊山先生を訪ねたのが2024年6月。7月には超音波内視鏡によるエコー検査を受けた。

 膵臓は胃の裏側、背中側にある臓器で、普通のエコー検査ではその全体像をなかなか正確に見ることができない。そこで先端に高解像度の超音波検査器をつけた内視鏡を胃の中に入れ、胃壁越しに膵臓のエコー画像を見る。膵臓の状態を正確に把握できる検査の一つである。

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source : 週刊文春