高支持率でロケットスタートを切った高市早苗内閣。閣僚たちを“精密検査”すると、浮かび上がったのは不可解な“還流”、不謹慎な発言、奇妙な側近の存在、そして――「週刊文春」がここに告発するのは、大物閣僚の違法な選挙買収だ。

 

 昨秋の衆院選。山口3区で林陣営は大量の現金をばらまいていた。もらった人たちを直撃すると「選挙運動の日当だった」と違法行為を自白する人が続々と……。

 10月21日、深夜に首相官邸の大階段で行われた記念撮影で高市早苗首相の右手に控えたのが、自らも総裁選に立候補し落選した林芳正・新総務相(64)だ。

 

 岸田・石破内閣で官房長官を務めた林氏。総裁選は3度目の挑戦だった。

「1回目の投票で議員票では高市氏を上回って小泉進次郎氏に次ぐ2位につけ、存在感を示した。他方、党員票で1位をとったのは山梨、山口など6県のみ。全国での浸透具合に危機感を抱いたのか、今回は『地方を回れる』ポジションを希望し、総務大臣の座に落ち着いた」(政治部デスク)

 

 地方行政や郵便、通信、統計など幅広い業務を所管する総務省。政治資金規正法や公職選挙法など、「政治とカネ」に関する制度も管轄する立場だ。

「週刊文春」は林氏の選挙を巡る記録を丹念に追った。すると浮かび上がってきたのは、大規模な「金配り」の実態だった。

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source : 週刊文春 2025年11月13日号