アメリカの「モンロー主義」という言葉を高校の世界史の授業で聞いたことがありませんか?

「マリリン・モンローの主義じゃないよ」というのが先生のジョークの定番でした。

 実際にはいまから202年前の1823年12月、当時のアメリカのジェームズ・モンロー大統領が打ち出した方針のことです。モンロー大統領は、アメリカがヨーロッパに介入しない代わりにヨーロッパ各国の西半球つまり南北アメリカ大陸への干渉を認めないと宣言しました。要は南北アメリカ大陸はアメリカの縄張りだと宣言したのです。

 実はアメリカ初代大統領のワシントンも退任に際する演説で、いかなる国とも「永久的同盟」は結ぶべきでないと戒めていました。つまり建国当初から「アメリカ第一主義」だったのですが、モンロー大統領は南北アメリカ大陸全体にアメリカの支配権を確立しようとしたのです。

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source : 週刊文春 2025年12月25日号