年末年始は故郷に帰省し、親族と交流する人も多いだろう。貴重なこのタイミングで“50代からの終活”を始めることが、人生100年時代を豊かに過ごす秘訣である。親を上手に巻き込み、実家&墓じまいに先手を打とう。

 

▶エンディングノートで“ヒト・モノ・カネ”を見える化

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 人生100年時代の折り返しを過ぎた50代。仕事や子育てが一段落してきた人も多い中で、年末年始にぜひとも着手したいのが“50代からの終活”である。

「終活というと70代、80代のものと考える方が多いのですが、そうではない。終活は、気力も体力もある50代から始めるのがベストなのです」

 こう語るのは、終活アドバイザーでファイナンシャルプランナーの山田静江氏だ。事実、山田氏が終活を始めたのも、子育てが落ち着いた50代からだった。

「職業柄、病気や要介護になってから終活を始めてうまくいかなかったケースを多く目にしてきました。つまり、必要性を痛感してからでは遅すぎる。終活とは即ち、自分を取り巻く“ヒト・モノ・カネ”を見える化すること。早めに終活に取り組むことは、早めに死に向かうことではなく、むしろ霧が晴れたように前向きに残りの人生を楽しむことができますよ」

山田氏

 さらに、50代からの終活の大きなメリットが、親の終活との相乗効果だ。

「50代ともなれば、親は後期高齢者。認知症の兆候が出始めたり、病気を患う確率はグンと上がります。とはいえ、離れて暮らす両親にいきなり『終活やって。預金通帳はどこ?』と切り出しても、まずうまく行きません。それどころか、親が怒って関係性がこじれることも。終活アドバイザーの私ですら、母親に預金通帳などを見せてもらうまでに足掛け3年。遺言書を書いてもらったのは、さらにその10年後でした」

 そんな山田氏がお勧めするのが、親より先に自分が終活を始めることだ。

「『じつは私も最近、終活を始めたんだけどね……』こんな風に切り出し、『一緒にやってみよう』と持ち掛けると、意外とスムースに受け入れてくれます」

 親の終活と自分の終活は切っても切り離せない。

「相続や親戚関係など、重なる部分が多いだけに、親の終活で躓いた人は、自分の終活でも躓く場合が少なくない。『親の終活は、自分の終活の第1歩』と心得て、この年末年始、親子で終活を始めましょう」

 そこで今回は、「50代から始める終活」前編として、年末年始に親子で始める「実家じまい&墓じまい」を識者が徹底解説する。

 片づけに財産整理、医療や介護、葬儀の形式の選択に至るまで、じつに多岐にわたるのが終活だ。何から手をつけたら良いものか、途方に暮れる人も多いだろう。全体像を掴む上で活用したいのが、エンディングノートだ。

親子でエンディングノートに記入

エンディングノートとは即ち“大人の母子手帳”です。デジタル化社会において母子手帳が重宝される理由は、重要な情報が1つの手帳で完結している点にあります。死後に遺された家族を困らせないためだけではなく、生きている間に周囲から支援を受け、前向きに生きるためにも、1冊にまとめることが重要なのです」

物に対する執着を切り離す

 巷に溢れるエンディングノートだが、「大変そう」と先送りにしてきた読者も多いことだろう。下の表は、山田氏が「絶対に必要な項目」のみを厳選し、チェックリスト形式でまとめたもの。家にあるノートに書き出して、自前のエンディングノートを作成できる。

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source : 週刊文春 2026年1月1日・8日号