「この国難を乗り切れば、高市外交は安倍外交を超える偉業を成し遂げる可能性を秘めています」

 

 こう語るのは、京都大学名誉教授で国際政治学者の中西輝政氏(78)である。かつて安倍晋三元首相のブレーンとされた中西氏は、今般の日中対立をどう見ているのか。

 

 まず述べておきたいのは、当面の経済面への悪影響や中国在留邦人の安全などを考えると、高市早苗首相の「台湾有事」答弁は手放しで「良かった」とは言えません。不用意に踏み込んだのは確かで、この危機は収めなければならない。

 しかし、何事も「覆水盆に返らず」。むしろ、この日中対立から「怪我の功名」を見出せる。そう考える要因は3つあります。

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source : 週刊文春 2026年1月1日・8日号