第15回 「週刊文春」にあの男が帰ってくる

2021年7月2日配信分

「週刊文春」編集長

 昨日は、人事異動の発令日でした。「週刊文春」編集部は特集班、セクション班、グラビア班の3班で構成されていますが、この日から、新たな役職ができました。その名も「電子版コンテンツディレクター」。3月に起ち上げた「週刊文春 電子版」を魅力的なコンテンツにし、より多くの方に読んでいただけるようにするための司令塔です。そのために、ある男を招聘しました。その名は村井弦。いきなりの実名報道に驚かれるかもしれませんが、彼は実名、顔出してTwitterをやっていますので、許してくれるでしょう。

 村井君は、月刊誌「文藝春秋」編集部で、その電子版である「文藝春秋digital」を起ち上げた責任者です。雑誌が、デジタルの有料コンテンツとして、どう読者を獲得し、稼いでいくべきか、社内で最も知っている人物です。

 といっても、彼は“意識高い系デジタル野郎”ではありません。入社して配属されたのは、「週刊文春」特集班。3.11の20日後のことでした。彼に与えられた最初のミッションは、被災地にたどり着くこと。かなり過酷な現場だったはずです。その後は、原辰徳・巨人監督が元暴力団組員に1億円払っていた問題を、西崎伸彦記者(現在はフリーのジャーナリストとして活躍中)のアシとして取材するなど、シビアな案件を担当してきました。

 2012年、私が「週刊文春」のデスクになった時、彼は私の班でした。感心したのは、自分のネタで右トップを書いたことです。「野田聖子『奇跡の出産』の陰で 献身夫『裏切りの二股愛』」がそれです。独自ネタで右トップを書いた2年目の記者は、ほとんどいないと思います。野田聖子衆院議員の夫を巡っては、元暴力団員だったことを書いて裁判になるなど、小誌とは因縁の深い人物になりますが、それはまた別の機会に。

 2014年には、「全聾の作曲家佐村河内守はペテン師だった!」をスクープした神山典士さんのアシとして、告発した新垣隆さんをサポートしました。新垣さんから、すっかり信頼された村井君は、TV出演などの交渉窓口となり、一時は専属マネージャーのようになっていました。

 そんな彼ですから、特集班に配属すれば大きな戦力になるに違いありません。しかし、雑誌界でまだどこも成功したとは言えない電子版を大きく育てていくには、彼のようなデジタルを知り、そして「週刊文春」の地を這う現場をわかっている人物が必要でした。

 今年3月にスタートした「週刊文春 電子版」は、皆様の声を参考にしながら、改善を積み重ねてきました。企業の方から、「請求書払いができないか」「複数IDの契約ができないか」などの要望があり、「法人プラン」をローンチ。長年の読者の方からは「スクープが早く読めるのはうれしいが、やっぱり連載も読みたい」との声をいただき、1年間定期購読料金に5000円プラスで、両方読める「電子版+雑誌プラン」も起ち上げました。

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source : 週刊文春

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