死を意識したとき、どんな行動をとるだろうか? 

 そのときの行動の仕方によって、本性が現れるような気がする。ふだんは雑事に紛れていても、死を意識すると、悔いのない行動をしようとするからである。

 わたしは入院する前日、風呂の給湯パイプを掃除し、シャツのボタンを取り替えた。ボタンがないので、シャツの袖のボタンを外してそれを使った。冷蔵庫を整理し、食器も洗った。このことから判断すると、わたしは家事や雑用をこなすことを何より大事と考えているように思える。

 昔、胃の具合が悪くなり、絶対にガンに違いないと確信し、死を意識したことがある。わたしは当時まだエアコンのなかった大学の研究室で、汗をだらだらかきながら、誰が読むともわからない資料を作り続けた。

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source : 週刊文春 2026年4月9日号