最終決戦、ダブルフルセット、失冠の危機、タイトルまで後1勝……藤井聡太六冠の二つの防衛戦、王将戦七番勝負と棋王戦五番勝負がついに決着した。

 藤井六冠は本当に苦しんだ両シリーズだった。永瀬拓矢九段との王将戦は出だし1勝3敗。増田康宏八段との棋王戦は1勝2敗と、どちらも先にカド番まで追い込まれた。だが結果は皆さんがご承知の通り。追い詰められても動揺することなく、最後まで自分の将棋を貫き通した戦いぶりは観ている人の心を打つものだった。

 明けない夜はない。そう感じさせるシリーズでもあった。3月の初めまでは二つのタイトル戦で2勝5敗だったが、その後に一気に巻き返した。流れが変わったのは3月8日に始まった王将戦第5局、永瀬九段に逆転勝ちをした将棋だったように思う。

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source : 週刊文春 2026年4月16日号