昨年11月、TLC運営の「エルセーヌ」ブランドの事務所兼倉庫で施術機器や金庫、約50万件の顧客情報が持ち出される“窃盗事件”が発覚した。その事案発覚前にはTLCがアパレル事業を手掛けるANAPと業務提携を行っていた。いったい、その日、何が起こっていたのか。

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 事件当日の10月31日、搬出作業は午前9時半頃から午後4時頃まで行なわれている。約10人が上野のビルに集まり、事前にレンタカー会社で手配してあった2tトラック2台で、施術ベッドなどは埼玉県八潮市の倉庫へ、顧客情報に関する書類などは南青山のANAP本社へと運び出された。

ANAP側に運び込まれた段ボール

 搬出作業に関わったANAP側の元社員が事情を打ち明ける。

「上野の事務所は、新人スタッフの研修所として使わせて貰っていたので、私も鍵は持っていました。引っ越し作業の指示を受けたのは、10月23日。子会社の人事部長から『10月31日に上野の事務所を撤去するので、引っ越しをするから』と言われました。他社の所有物を無断で持ち去るような行為をしていいのかとも思いましたが、『顧客情報に纏わるものはすべて持って来なさい』と言われ、とても指示に逆らえるような雰囲気ではありませんでした」

ANAPの社内で起こっていた異変

 実は、10月23日、ANAPの社内では異変が起こっていた。午後3時半にIRで、ANAPや子会社の役員4人が退任することが公表され、その直後に、社長の川合林太郎氏からグループ社員に対して社内ツールで通告文が届いた。そこには、突然退任することになった役員らについて〈当社グループの施設内で見かけたり、何らかの接触があった際には直ちにANAPホールディングス経営管理本部X(原文では実名)までご報告ください〉と付記されていた。

 さらに追い打ちをかけるように午後4時半からは本社の1階で、X氏らが、社員を集めてこう告げたのだという。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル