4月25日、大阪・フェスティバルホール。客席には、アンコールの掛け声が響いていた。万雷の拍手の中、バンドメンバーの後に飛び出してきたのは吉田拓郎(80)だ。4月5日で傘寿を迎えたばかりの吉田はステージを駆け、マイクスタンドを1周。「サービスだよ」とおちゃめに言って、もう1周回ってみせた。
「吉田は2019年を最後にライブを行っていなかった。22年6月にアルバム『ah-面白かった』を出し、同年末に一線を退く“リタイア宣言”をしていたのですが……」(芸能記者)
1970年のデビュー以来、『結婚しようよ』などの名曲をヒットさせ、「フォークの帝王」と呼ばれた吉田。若者の支持を集める傍ら、「1曲まるまる歌えない」との理由でテレビ出演は拒否し続けたが、
「96年からKinKi Kids(当時)が司会の番組『LOVE LOVE あいしてる』に出演。2人の物怖じしない姿勢に心を開き、ギターを教えたりしていました」(同前)

ところが、度重なる病魔が吉田を襲う。03年に肺がんが見つかり、肺の3分の1を切除。07年にはブログで「更年期障害、ストレス、うつ病」による心身の不調を告白している。さらに09年に慢性気管支炎、14年には喉に新たにがんが見つかった。長年ディレクターとして吉田を支えた常富喜雄氏が振り返る。
「長く苦しい闘病生活で、拓郎のボーカルは昔とは随分変わってしまったと正直思います。それは拓郎のファン以上に本人が1番辛かったでしょう。自分というアーティストが消え去ってしまったんじゃないかと、彼は感じていたと思います」
そんな吉田を支え続けたのが、12歳下の妻、元女優の森下愛子(68)だ。

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source : 週刊文春 2026年5月7日・14日号






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