久しぶりに「推し」が出来ました。コロナ禍で韓国ドラマ『愛の不時着』にハマり、ヒョンビンを推しまくり、あらゆる所がビンビンしていた時以来。推しのことを考えると胸がギュンと締め付けられ苦しくなる。一瞬、「心筋梗塞?」と怖くなったけど大丈夫、違う種類の痛み。その推しの名前は「パンチ君」。市川市動植物園の子ザル。母ザルに育児放棄をされたため飼育員さんの手で育てられ、母親代わりのオランウータンのぬいぐるみを連れて歩く姿がSNSで拡散され有名に。もれなく私もパンチ君の動画を貪り観るように。飼育員さんの足元に必死につかまるパンチ、友達モエちゃんとじゃれ合うパンチ、大人ザルに虐められるパンチ……。もう佳代子の母性がダダ漏れ。許されるのなら母乳を与えたい。もちろん出ないので素振りだけでも。

 そんなわけで先日、会いに行ってきました。小雨の中、1人で。我が家から電車を乗り継ぎ2時間弱。しかも最寄り駅からは徒歩30分ほどかかる。風が強く、折り畳み傘が裏返しになりながらも心はワクワクドキドキ。道中には梨園が広がっていて、梨の白い花が風で揺れている。梨の花の花言葉は、「愛情」。しかも親が子を思う無償の愛のことらしい。会いたい気持ちと強風に背中を押され、いつの間にか小走りに。20代の頃、当時付き合っていた彼氏に会いた過ぎて、夜中2時に登戸から稲田堤まで多摩川の土手沿いを走って会いにいったことを思い出す。

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source : 週刊文春 2026年5月21日号