反基地団体の抗議船が転覆し、女子生徒らが死亡した事故から2カ月余り。文科省は同志社国際高校を教育基本法違反と認定した。しかし、問題の深刻さはそれだけに留まらない。反基地団体の内実を徹底取材したところ――。

 沖縄本島北部に位置する名護市。短髪に刈り上げた40代の男がスナック街で頻繁に姿を見せるようになったのは、昨年5月頃だった。潮気を含んだ湿っぽい空気が肌にまとわりつく夜の街で、彼はあるキャバクラで働く女性に熱を上げ始めていた。

「店に通って何回目かの夜がたまたまお気に入りの女の子の誕生日で、高級シャンパンのアルマンドを頼んで30万円ほど使ったんです。すると数日後、今度は一番高い42万円のシャンパンを入れ、50万円以上を現金で支払っていた。ただ、ある時、お会計が10万円足りなかったことがあり、次第にツケ払いになって……」(繁華街関係者)

 ブレーキが壊れたような危うさを漂わせていたその男は10カ月後、あってはならない事故を起こすのだった。

 文科省は5月22日、名護市辺野古沖で3月16日、研修旅行中の同志社国際高校(京都)の生徒が乗る2隻の船が転覆し、同校2年生だった武石知華さん(17)と、金井創船長(71)が亡くなった事故を巡り、異例の見解を示した。

亡くなった武石知華さん(遺族のSNSより)

「辺野古の基地建設に関する学習について『政治的活動を禁じる教育基本法第十四条第二項に反する』として、学校法人同志社に対し、文科省は是正を求めて指導しました」(文科省担当記者)

学校法人同志社に対する聞き取り調査に入る文科省の職員ら

 “教育の憲法”と称される教育基本法。文科省が政治的中立性を理由に同法違反を認定したのは初めてだ。

「研修旅行は7つのコースが設けられ、事故に巻き込まれたのは『辺野古をボートに乗り海から見るコース』に参加した生徒たち。このボートが、辺野古の基地建設に抗議する団体『ヘリ基地反対協議会(反対協)』が運航する『不屈』と『平和丸』という“抗議船”だったのです」(同前)

転覆した抗議船「平和丸」

 公安関係者が言う。

「他のコースも、“活動家”の拠点などが目立ちます。例えば『金城実先生アトリエ+民泊コース』には約30人が参加。金城氏は長年、反基地運動に深く携わり、『恨之碑』や『慰安婦像』などの制作を巡って議論を呼んできた人物です」

 金城氏に話を聞くと、

「事故に便乗して沖縄における平和運動に権力が介入していると思う。なんで抵抗運動を暴力と呼ぶのか。沖縄の人間として紛争を避けるための運動は当たり前。それをけしからんという輩がむしろけしからん」(同志社国際は“金城氏コース”について「現時点では教育の中立性が問われるような内容ではなかったと考えております」などと回答)

 ただ、警察庁の鈴木敏夫長官官房審議官は5月8日、衆院法務委員会で次のような見解を示している。

「沖縄の基地反対運動を行っている者の一部には極左暴力集団(過激派)も確認されていると承知している」

 実は、その「過激派」の疑いがある面々を擁してきたのが、抗議船を運航していた反対協なのだ。

名護市内にある反対協の事務所

「知華さんの遺族も4月中旬、SNSで、学校やツアー会社と異なり〈平和丸の船長、乗組員、ヘリ基地反対協議会その他の関係責任者達〉からは、直接の謝罪や手紙、弔電が〈何ひとつありませんでした〉と綴っていました」(地元記者)

 反対協は元々、1997年、普天間飛行場返還に伴う海上ヘリポート建設計画の是非を問う「名護市民投票推進協議会」として発足。住民投票で基地反対票が賛成を上回ったことを受け、翌98年以降、基地反対運動を担ってきた。

共産党の田村智子委員長
反対協による市民投票報告集『名護市民燃ゆ』より

「運動資金は主にカンパで賄ってきた。基地反対運動支援を目的に2015年に設立された『辺野古基金』からも、基金設立の翌月に1000万円の交付を受けています」(同前)

顧問が極左暴力集団の機関紙に

 では、反対協を運営するのはどんな面々なのか。

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source : 週刊文春 2026年6月4日号