若きシングルマザー・富士子の波乱万丈な半生を描いた映画『FUJIKO』。全身全霊で彼女を生ききった主演・片山友希の“不屈のエネルギー”に迫る。

 

撮影 松岡一哲

ヘアメイク 足立真利子

スタイリング 髙山エリ

衣装協力 NKNIT/LAILA VINTAGE/TELA/MOTHER/THE OBJECT

 

何もなかったけど、生きてこれた

 その日、片山友希は電車を乗り継ぎ、徒歩で取材現場にやって来た。

「カッコつけてるみたいに聞こえたら恥ずかしいんですけど、俳優こそ『普通の生活』が大事やと感じていて。タクシーしか乗らない役なんてめったにありませんし、自分の足で移動する感覚を忘れたら、日常の芝居はできひんなって思うんです」

 柔らかな京言葉に、確かな熱が滲む。彼女自身がしっかと地に足をつけ、日々を生きているからだろう。主演映画『FUJIKO』には、70年代を駆け抜けたシングルマザー・富士子の“生命のビート”が鳴り響いている。

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source : 週刊文春 2026年6月11日号