腎臓病と言えば、人工透析のイメージ。水を飲むな、減塩せよなどと指導を受けて大変……。否、そんな常識は古くなっているという。ベストセラー著者の専門家が指南する、食事や日常生活から腎臓を回復させる新ルールとは。
●水1.5リットルを飲む
●肉の代わりは?
●運動はゆっくりでOK
●アルコールは?…ほか
「腎臓は一度悪くなると二度と元には戻らない、と言われます。しかし、私は食事療法を中心とする生活習慣の改善で腎機能が回復した人を大勢みてきました。負担の大きい『人工透析』を回避しながら、腎臓を蘇らせることができるのです」
こう語るのは、『最新医学データが導き出した最高の腎機能回復法』(ユサブル)の著者で、山口醫院(千葉県)の山口貴也院長(49)だ。

山口院長は、腎臓病だけでなく、がんや難病の患者に対し、生活習慣による治療を実践してきた。その経験とエビデンスをもとにした著書は今年1月に発売され、腎臓をテーマとした著作としては異例の2万部超のベストセラーとなっている。そこで山口院長に、瑞々しく健康な“最強の腎臓”を保つ秘訣を聞いた。
腎臓は、腰より少し上の背中側に左右1つずつある臓器だ。握りこぶし程度の大きさでそら豆のような形をしている。その役割は、体の老廃物を捨ててくれることである。
「主な働きは、血液から老廃物をろ過して尿を作り、体外に排出することです。また血圧を調整したり、全身のミネラルを調整したりと、地味ながら生きる上で欠かせない縁の下の力持ちのような存在です」
腎臓が悪くなると、脳卒中、心筋梗塞、高血圧などさまざまな病気のリスクが高まる。腎不全に至れば死亡にもつながる。そこで、腎臓の状態がある程度悪いと判断されれば、人工透析になる恐れがある。
日本で人工透析を受けている人は約35万人だ。
「人工透析にかかる費用は年間約1兆6千億円に上ります。実は日本は人口100万人あたりの患者数が世界トップクラスの“透析大国”なのです」
人工透析が必要になるその一歩前の段階が、「慢性腎臓病」と呼ばれる状態だ。自覚症状がないことも多い。健康診断で見つかる場合もあり、日本腎臓学会によると、日本の慢性腎臓病の患者数は推定2000万人とされる。成人の5人に1人の割合だ。

慢性腎臓病から、やがて人工透析に臨むしかないのか――。そうではなく、不必要に透析に誘導されている患者も多い、というのが、慢性腎臓病の患者を多くみてきた山口院長の考えだ。
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source : 週刊文春 2026年7月2日号






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